はじめまして、こんにちは。
歯科医療総研の山本と申します。
国民皆歯科健診もあり、日本の歯科クリニックは予防診療を普及させていくことが求められるようになりました。
その影響もあり、日本各地で予防診療の勉強会が盛んに行われ、様々な成功事例も生まれることになりました。
また、予防診療と言えば北欧やアメリカを参考にすることも多いと思うのですが…
ここで少し立ち止まって考えてみてほしいことがあります。
院長先生もご存じだとは思いますが、日本は先進国の中でも少子高齢化が進んでいる国なので、そもそもの状況が高齢化社会になっていない北欧やアメリカと異なります。
ですので、本来は日本特有の求められる歯科医療があり、それは予防診療においても同様なのではないでしょうか。
そこで今回は、日本の歯科医療に求められる予防歯科を様々なデータから分析し、独自の予防診療を確立した院長先生をご紹介させていただきます。
それが北海道函館市にて夢叶え歯科クリニックを開業している逸見 優(へんみ まさる) 先生です。
夢叶え歯科クリニック
院長 逸見 優
北海道函館市にて開業。開業1年で自費率は70%を超え、1年7カ月で完全自費クリニックへシフト。自費診療のみにも関わらず新規の予約は2年7カ月待ち。
日本でも有数の『予約の取れないクリニック』を作り上げ、「地域のかかりつけ歯科」と「完全自費クリニック」を融合。
また、新聞紙面への連載執筆、健康教室の開催、講演活動を続けている。
逸見先生のクリニックは2021年の開業から2カ月でレセプト700枚以上を超え、開業1年を経たずして自費率は70%を超えるという、とにかく自費の患者さんが多い歯科クリニックとなりました。
その後、あまりにも自費の患者さんで予約がいっぱいになるようになってしまったので、2023年には自費専門のクリニックへと移行させています。
そんな逸見先生は開業当初から完全自費診療のクリニックにしようと思っていたわけではなく、良い治療を求める自費の患者さんからの予約を優先させるべく結果的に保険診療はやらなくなったという感じのようです。
しかし、保険を止めたら自費も減るのでは?とも思いますが、まったくそんなことはなく新規の予約は2年7ヵ月待ち。
そんなに待たなくてはいけないのに患者さんは予約を入れ、しっかりと予約した日時に来院するそうです。
もちろん、完全自費診療にするかどうかは各々の先生の判断によるとは思いますが、
しかも広告を使ったものではなく、まったくお金のかからない
ここで予め知っておいてほしいのが、逸見先生は名前で患者さんを呼べるようなインプラントや矯正のエキスパートでもなく、言ってしまえばごくごく普通の町医者だということです。
つまりは、逸見先生が特別有名な歯科医師だったから自費診療の患者さんが増えているわけではなく、
逸見先生と同じことをすれば全国のどのクリニックでも同じように自費率を上げていくことは可能なのです。
では逸見先生は一体何を行って、院長先生の意思とか関係なく勝手に自費診療の患者からの予約が膨れ上がったのか。
その理由のキーワードは冒頭でもお話をしました…
日本の予防歯科は「一次予防」と「二次予防」が大きく扱われ、三次予防である補綴予防においては予防診療として処置される機会が少ない状況です。
また、大多数の集団を対象に発症を減らす方法である「ポピュレーションアプローチ」がメインで、疾患を発生しやすい高リスクを絞り込み、低リスクに対する不必要な介入を少なくする「ハイリスクアプローチ」もどこか置いてけぼりになってしまっているように感じます。
このように、一般的に行われている予防歯科に補綴予防(三次予防)とハイリスクアプロ―チをプラスすると日本の状況に必要な予防歯科の全ての概念を網羅できるので…
逸見先生はこれを「予防自費診療」と呼んでいます。
逸見先生が言うには予防自費診療には大きく分けて4つのルールがあり、それだけやってもらえれば勝手に自費診療の患者さんは増えていくとのことですので、今回は特別にこの4つのルールを公開させていただきます。
厚生労働省の調査ですと、現在の日本人は75歳でも半分以上の歯を残せており、虫歯の洪水と言われていた1980年代から比べると右肩上がりに残存歯の割合が増加しているので、これがポジティブなデータとして公開されています。
しかしこのデータの裏には驚きの事実があることに逸見先生は気が付きました。
患者さんが一度歯を失い始めてからの速度は1950年から50年以上たった今現在もまったく変わっていないのです。
1950年頃は30代半ばで歯を失い始めて、現在はそれが10年延びて40代半ばにはなっているので失い始める年齢だけが変わっているのですが、そこから失っていく速度は50年間変わっていないんです。
この現象を「歯牙欠損進行症」と呼び、欠損を有する患者さんはこの症状に当てはまると逸見先生は考えています。
抜歯になる人の口腔内の補綴物を調べると「プラスチック義歯の格子」や「ブリッジ」の歯が、ずば抜けて抜歯リスクが高いのがわかります。
そうなると歯牙欠損進行症を抑制する為の補綴設計や補綴選択は「金属床義歯」や「インプラント」になるべきです。
これは売上の為とかではなく患者さんの為にもそういう提案を必ずしないといけません。
日本は超高齢社会で75歳程度の後期高齢の方が最も多い国です。
しかも人数が多いだけでなく、この75歳程度の方が最も歯の補綴を必要として通院されます。
そこでこのボリュームゾーンを意識した日本特有の歯科医療が必要だと逸見先生は考え、初診患者の主訴該当歯に関する研究をしてみると…
健康歯はほとんどなく、過去に修復処置をされている歯にのみトラブルを抱えている患者さんが多いと気づきます。
クラウンやブリッジで補綴されていたり、パーシャルデンチャーの格子になっている歯です。
つまり、患者さんが歯磨きを頑張っていても、プラークコントロールしていても過去の治療で何を選択してどのような処置をしたかが影響してしまうので、そもそもの長期予後を考慮した精密な治療の必要性があるということになります。
ですので、長期的に考えた補綴の選択をして補綴前に矯正が必要であればそれも積極的に提案すべきなのです。
逸見先生は元々はコミュニケーションが得意なほうではない性格なのですが、歯科医師の仕事は診療が3割程度で残りはコミュニケーションだと言い切ります。
特に院長先生は大きく分けると「診療」「マーケティング」「マネジメント」という3つの仕事を抱えていますが、マーケティング領域では患者さんと話し、マネジメント領域ではスタッフと話さなくてはいけません。
ですので、診療は3割で残りは患者さんとスタッフと話すのに費やしてください。
逸見先生は60分のアポのうち治療は20分で治療前後に20分ずつ患者さんと話しており、それによって確実に自費診療を受け入れてくれる患者さんが増加したと言います。
逸見先生曰く、今回の4つのルール中で自費率を上げるのに一番重要なのはこれかもしれないと言います。
これは何も難しく考える必要はありません。
したいことをするのは難しいかもしれませんが、したくないことをしないのは自分で決めればできます。
逸見先生の場合は、時間に追われながらの診療や長期予後を考えない治療はしたくないと考え、さらには約束を守れない患者や健康意識の低い患者を診ないように決めました。
その結果、大切にしたい患者さんだけに医療を還元できるようになり、必然的に予防自費診療中心の医院フォーマットが完成したそうです。
いかがでしたでしょうか。
今回のお話は逸見先生にしかできない内容なので、歯科医療総研の方でセミナー講義を依頼して、院長先生が好きな時いつでも何度でも視聴できるように公開させて頂く許可をいただきました。
そこで、今回ご案内しきれなかった予防自費診療の講義内容の中で院長先生が得られるメリットの一部をご紹介しますと…
このように84分にわたって講義されているセミナーを視聴していただけましたら、通常の予防歯科に補綴予防(三次予防)とハイリスクアプロ―チが癒合された、日本特有の予防自費診療を完成させることができます。
逸見先生はこの4つのルールによって結果的に自費診療専門のクリニックになりましたが、保険診療は残しながらでも自費率70%以上まで高めることも可能です。
さらに、逸見先生の提唱する予防自費診療は「今目の前にいる患者さんを世界一大切な人として扱うこと」を大原則としています。
そうするとその患者さんの100人のバックグラウンドにマーケティング効果が得られて、実はこれが一番効果の高い集患方法なんだそうです。
そして今回、逸見先生のお話に興味を持っていただいた先生には少しでも安く提供したいと思い59,800円を定価にしたのですが…