はじめまして、こんにちは。
歯科医療総研の山本と申します。
令和6年の診療報酬改定を皮切りに、令和7年8年…と数年にかけて歯科医療機関の役割を変えていくための変革が起きていくことになりましたが、これは特に保険診療を取り扱うクリニックにとって一番の勝負所にもなります。
なぜなら、自由診療は開業医に明確に決定権がありますが、保険診療は国が決めた点数をもとにやっていくしかないので開業医に決定権はありません。
それ故に国が歯科医療に何を求めているかキャッチして、それに対して診療スタイルを合わせに行かないと経営が成り立たなくなってしまうのですが、
その診療報酬改定においてポイントになってくるのは、多くのクリニックがまだ対応できていない「訪問診療」と「医科歯科連携」なのですが…ハッキリ言ってこれらはもう後回しにできないところまできています。
今後はインプラントがどれだけうまく埋入されていようが、どれだけうまくエンドされていようが、そこに対して評価する点数はついてくることはありません。
2025年に地域包括ケアモデルと呼ばれるものが施工され、もう院内に閉じこもって主訴のある患者さんの治療だけをしている歯科医療から、半ば強制的に次のステージに移らなくてはいけない段階です。
もちろん、クリニックの状況によってできることと、できないことはあるかもしれませんが、
その人物というのが、愛知県名古屋市のかすもり・おしむら歯科 口腔機能クリニックで院長を務める押村憲昭(おしむらのりあき)先生です。
かすもり・おしむら歯科 口腔機能クリニック
院長 押村 憲昭
■経歴
愛知県名古屋市の「かすもり・おしむら歯科 口腔機能クリニック」院長として歯科臨床に携わりながら、『積極的医科歯科連携』として内科、皮膚科、耳鼻科、整形外科をはじめとする医科との連携を行う。連携を生かして訪問診療なども積極的に行っており、多くの成功事例を持つ。「ご近所医科歯科連携導入マニュアル」「その皮膚疾患 歯科治療で治るかも」など多数の著書を出版。
押村先生のクリニックは今では年間2,000名の初診患者が来院する人気歯科クリニックですが、驚くことにその半数の約1,000名は提携先の医科からの紹介だというのです。
しかも開業3年で年商4億円を達成していますが、その内の1億円は訪問診療での医業収入だというのですから、ちょっと日本国内でも類を見ないクリニックのモデルです。
その為、現代の地域包括ケアシステムの圧倒的成功モデルのクリニックとして、毎年100名~300名が見学や研修に訪れます。
押村先生が言うには「地域包括ケアモデル」をはじめとした取り組みは、誰かが作ってくれるものではなく各クリニックが自分たちで作る必要があります。
行政が何か具体的なものを用意してくれるわけでもなければ、訪問先や連携先をあてがってくれるわけでもありません。
もちろん待っているだけで、どこかから「いっしょにやりましょう」と声をかけてくれることはありません。これは押村先生も同じです。
押村先生が医科や介護の業界に名を轟かす名医で何もしなくても勝手に声をかけられているなんてことはなく、今ある訪問先や提携医科は全てご自身の行動で増やしていきました。
つまり状況としては、ごくごく普通の町医者からスタートしているわけですが、ただみなさんより動き出しが早かったので、今では圧倒的な成功事例としてお手本とされるまでに至っています。
そして「診療報酬改定の概要」を徹底的に分析し、さらには数年先の改定も見据えると以下の3点が重要なポイントだと押村先生は言います。
この3点から導き出されるクリニックに求められる取り組みとは一体なんなのか?
「訪問診療」と「医科歯科連携」の2つの場面で、実際に押村先生が行っているところを話していきましょう。
「歯科は人生最後の10年に一番冷たい職業である」こう揶揄されることがあるのはご存じでしょうか?確かに最後の10年に関しては歯科のアプローチは薄いのが現実です。
今の状況として8020達成者が増えた反面、クリニックに通えなくなってから歯周疾患を抱える人が増加しており、通えない人がペリオの問題になっている現状なのです。
そして医科は病院だったり特養施設だったりさまざまなパイプが繋がっていますが、歯科はそうではないので最後の10年は歯科だけが外来の受療率が下がっていきます。
つまり、歯科だけが『通えなくなったらおしまい』という状態で、歯科が一番携わらなければいけないところに携われていないということを国が問題視しているところなのです。
例えば、磨けることが前提で行われていたインプラントが急に来院できずに磨けなくなってしまったら誰がどう対処するのか?といったような問題です。
また、訪問の現場では歯を治してほしいという要望は意外に少なく…「患者さんが食事をするために必要なことをしてほしい」というのが実際に求められるところです。
つまり「食べることの達成をどう一生サポートできるか?」が訪問診療に求められる概念であり、その為には治療ではなく『口腔機能の評価』『食形態の調整』『摂食嚥下』といったアプローチになります。
訪問診療においては直近の改定では1人20分以上の診療・指導しないと算定できないルールが廃止になったりしましたが、この先も訪問診療においては、一気に300点400点伸びる分野が新設されていくと思われます。
医科歯科の連携がなかなか進まない理由として大きなのは以下の2つがあります。
『医科の先生が歯科の治療に興味がない』
『近隣というだけで知らない人同士でやらなくちゃいけない』
医科の先生に歯科の受診が大事かアンケートをとればほぼ100%で大事だと答えます。
しかし実際に患者さんに歯科を紹介したか聞くと5%程度であり、これがリアルな現状です。
つまり歯科に興味がなくさらに面識もない医科の先生と連携しなくてはいけないのです。
もちろん医科の先生のほうから声をかけてくれることなんてありません。しかし、診療報酬改定『栄養管理・口腔管理』というものがあります。これは令和7年以降の改正で加速と加点していくことにはなると思うのですが、
その中で歯科は定期来院患者が多いことから特に重要な役割を期待されており、具体的には…
体重や血圧や血糖値を測定したり、食生活の指導をしたりする仕組みがあれば患者さんも今より定期的に訪れるし、未然に内科に紹介できるかもしれないというものです。
そこで、まずは歯科で病気を見つけて医科の先生にパスをしていく流れを作ることで、医科の先生に歯科と連携することのメリットを感じてもらえます。
虫歯・歯周病と糖尿病はなりやすい人がリンクしていますが、歯科から糖尿病の患者さんを見つけてあげると、今度は内科のほうから患者さんを送ってくれるようになります。
そこで、押村先生のクリニックの医科歯科連携を円滑に進めるための取り組みとして、紹介状には必ず口腔内の写真をつけ、どういう状況なのかコメントを添えるのと、「歯科的にこういう問題があるので、内科的にこういう問題がおきている」ということを伝えるのです。
そうすると医科の先生も賢いので自身の患者さんの口腔内も見始めて、「内科的にこういう問題があるということは、歯科的にこういう問題も起きているかも?」という発想で歯の欠損のある患者さんなどの紹介を返してきてくれるようになります。
他にも歯周病と糖尿病の関係性のポスターを作って地域の内科に配ることも効果的だそうです。(令和6年の改定で糖尿病患者のハイリスク加算もあり)
もちろんこれらは内科だけでなく皮膚科や耳鼻科に関しても同様です。
皮膚科に関しては金属アレルギーと補綴の関係があるので、フルマウスの補綴で400万円自費診療になるような患者さんを紹介してもらえたり、耳鼻科にも歯並びと呼吸の関係性から矯正に繋がるような患者さんを紹介してもらえます。
いかがでしょうか。
これらの情報は本来であれば、押村先生のクリニックに見学だったり研修のお願いをしないと聞けないことであり、押村先生が毎日のように昼休みや診療の合間で近隣の病院に挨拶に回って作り上げたものですので、全国のクリニックの中でも一番のお手本にするに値すると思います。
そこで今回、押村先生に歯科医療総研での限定配信となるオリジナルセミナーを開催していただき、院長先生が好きな時いつでも何度でも視聴できるように公開させていただく許可をいただきました。
もちろん今回は語りきれなかったセミナー動画にだけ収録されている、診療報酬改定基づいた講義内容がありますので一部をご紹介させていただきますと…
このように48分にわたって押村先生自らが講演した内容が収録されています。
押村先生のクリニックはこのような取り組みによって年商4億を超える経営状態ですが、何よりも注目すべきは今の売上ではなく、数年先までの診療報酬改定を見越した取り組みをしているので、これから先も発展が約束されていることなのです。
ですので、押村先生の取り組みはどのクリニックにとっても必ず押さえておきたい成功モデルだと言えますので、興味を持っていただいた先生には少しでも安く提供したいと思い89,800円を定価にしたのですが…