はじめまして、こんにちは。
歯科医療総研の山本と申します。
欠損補綴の選択肢として再注目されているのが義歯ですが、患者さんによっては外科を要するインプラントや、歯を削り鉤歯に負担をかけるブリッジよりも義歯を推奨すべき場面も多いかと思います。
また、これからは少子高齢化が都市部にも影響してくるので、日本全国で義歯の必要性は今まで以上に増してくると予想されます。
しかしながら義歯に関しては、それなりの苦労を感じることもあるかと思います。
教科書通り丁寧にやっているのに患者さんが「痛い」「浮く」「壊れた」と言って来院を繰り返したり…そのため「保険の義歯は割に合わない治療」だと嘆いている先生もいらっしゃると聞いています。
今までより遥かに時短とコストダウンができる上に、調整作業は激減し患者さんも喜ぶ。さらにはしっかりと歯科医師の労力に見合った利益を出すことができる。これらが制限のある保険義歯でも可能になる方法があるのですが…
ほとんどの歯科医師はこれを知りません。
知っているのはただ一人。吉村歯科で院長を務める吉村暢洋(よしむらまさひろ)先生です。
吉村歯科 院長
吉村 暢洋
■プロフィール
長崎県上五島(五島列島)にて開業。少子高齢化が進む超限界集落といえる地域に在って、インプラントを一切行わず、義歯に明け暮れ、義歯の臨床数述べ1万症例を経験する。
自力で研鑽を積み、時間や機材、保険診療などと言った様々な制約がありながらも患者満足度が高く収益性の担保できる義歯製作のノウハウを構築。現在も保険の義歯外来の限界に挑戦し続けている。
吉村先生は生まれ故郷である長崎県上五島で開業されており、ここは超限界集落ともいえる場所でインプラントなどは一切行わず、義歯治療に明け暮れる毎日を過ごして、これまで経験されてきた症例数は述べ1万件に上ります。
まさに毎日のように入れ歯の洪水が押し寄せてくるような環境でたくさんの患者さんの悩みになんとか応えようと、あれこれと試行錯誤を繰り返してきました。
そんな極限とも言える状態で生まれたのが、吉村先生が現在行っている義歯製作の方法になるのですが…
これは導入に時間がかかったり、膨大な時間をかけて難しい勉強を継続したり、お金のかかる投資が必要だったりということは一切ありません。
今回お話をする吉村先生の1万件以上の義歯製作実績から生まれた義歯製作方法を聞いていただければ、明日からでも日々の臨床に取り入れることができると思います。
義歯製作における印象採得は圧倒的な時短とコストダウンを実現するためのポイントでもあり、機能面においても肝心な部分です。
もちろん保険に限らず自費の義歯製作にも必要になります。
印象採得は従来の方法とコピーデンチャーを使った方法があり、どちらにおいても吉村先生の症例経験から生まれたオリジナルのノウハウがあるので今から紹介していきましょう。
「義歯の印象は難しい…」本当にそうでしょうか?
吉村先生も義歯の印象が苦手だったそうですが、今では片顎4分。計10分もあれば上下で採れるそうです。
しかも個人トレーはほとんど使ったことがないというから驚きです。
実際に失敗の原因となる要因としては、アルジネート(シリコーン)の練り方が不適切であることが多いです。
トレーへ盛る量の過不足だったり硬化前に外してしまうとうまくいきません。
また、ここで難しいのは有歯顎の方から顎堤のない無歯顎の方までアルジネートが必要である場合、それぞれでトレーの盛る量が異なります。
また、幾つか印象採得のケースをご紹介すると…
有歯顎は、歯頚部に指の腹でアルジネートを擦り付ける。
無歯顎はわざと後縁(ポストダム)部にWAXを当てる。
(一か所だけでも当てる場所があると、位置付けが楽になり、驚くほど綺麗に採れます。)
特に初心者の先生には固練り+冷却水がオススメです。
シリンジでぐるっと一筆書きして、唇を引っ張って印象材を盛ったトレーをグッと押し込む。※可能なら舌を上に上げてもらってから楽にしてもらいます。
また、アルジネートは乾燥に弱いので印象採得後、できれば3分以内に石膏を流した方が、変形が少なくて済みます。
また、例えば高度顎堤吸収・無歯顎の患者さんでもたったの2ステップで有歯顎トレーを使って無歯顎をとる方法があります。
①ユーティリティーWAXで全部埋めてグッと加圧印象(症例に応じて舌側を足して長くします。)
②浅い既成トレー+ユーティリティーWAX(終わったら火であぶって除去)
印象を採る際に一番の理想は、最終義歯の形態がイメージ出来ている事ですが、必ずしも全ての義歯が同じ形態とはならず、初心者がこれを見抜くのは難しいです。
そこで便利なのが、次にお話するコピーデンチャー改造法です。
ここまで述べた従来の印象法に加え、デジタルを利用した画期的な印象法も利用すべきです。
それはデジタルでコピーデンチャーを製作し、咬合堤付き個人トレーとして、印象採得・咬合採得を同時に行っていく方法です。
コピーデンチャーによって印象採得を飛ばすことで日数が軽減される上に輸送コストを抑えることができますし、臨床面から考えても特に総義歯の場合、コピーデンチャーの活用は非常に重要です。
なぜなら年配の方は、現行義歯に慣れています。
そのため現行義歯の形態を最大限に参考にしながら、義歯新製を行うことが、余計なトラブルを防ぎ患者さんの満足度を担保する最大の方法になるのです。
コピーデンチャーであれば…患者さんの気に入る形態は?審美性は?機能性は?といったあらゆる術者の疑念に応えてくれます。
またこのコピーデンチャーに対してさらにもう一つ、
「入れ歯銀行」というデジタルを加えてみてください。
入れ歯銀行とは無料の総義歯デ-タ登録サービスで、自然災害に強い国や地域づくりを目指し内閣官房が推進しています。
もちろん義歯の破損や紛失があっても簡単に復元できますので、現行義歯にこだわりのある患者さんにとっては非常に有効な選択肢になります。
こちらはデータ登録の方法が少し特殊なのですが、
いかがでしょうか?感覚に頼って何となく結果が出るだけでは本当の意味での義歯治療とは言えません。
冒頭でもお話しましたが、今回ご紹介したのは吉村先生が1万件以上の義歯症例に触れ、技工士や、先輩歯科医師とひたすら仮説と検証を繰り返して辿り着いた…まさに超現場たたき上げの義歯製作の境地です。
もちろん患者満足度だけでなく利益も高めることができる方法ですので、義歯の患者さんが定期的にいらっしゃるクリニックは知っておいて損はないと思います。
また、他にも特殊な環境で行われる訪問診療での吉村流の義歯製作方法もあるので、吉村先生のこれまでの集大成ともいえる臨床テクニックを公開したセミナーを開催させていただき、動画教材としてご用意させていただきました。
そこで、この動画教材に収録されている内容の一部をご紹介させていただきますと…
このようにすぐに実践できて、患者さんの満足と信頼を獲得できて収益も確保することができる「義歯治療のポイント」を、実際に吉村先生がクリニックで製作にあたった症例などもご提供いただき、ポイント別に詳しく解説していただいています。
動画教材を見て一度学んでから確実に行っていただければ義歯製作が劇的に簡素化し、壊れることなく簡単な調整のみで患者さんが満足する義歯を製作が可能になります。
その結果、クリニックやスタッフさんへの信頼関係も強くなり、自費の提案を受け入れてもらいやすくなったり、口コミや紹介でどんどん患者さんが集まってくるようになるでしょう。
そして今回、興味を持っていただいた先生には少しでも安く提供したいと思い70,000円を定価にしたのですが…